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夕景の表現研究:寄り引きの表情の変化

01.07 2012



文字とシルエットに共通する「黒」に着目し、書体デザインに夕景のシルエットを組み込む実験。夕景の表現において、「拡大を通して、文字の中に夕景の叙情が生まれる変化」を扱った修士研究だ。

書体デザインに夕景のシルエットを組み込む試作を重ねるうちに細部に重ねると、寄り引きの表情が生まれることがわかってきた。文字の形とシルエットの組み合わせを検討しながら、書体を完成させた。

本作品が大学院での修了製作となり卒業制作のアワードMitsubishi Chemical Junior Design Award 2012で佳作を受賞した。頭ごなしに考えるアイデアの中には表現は存在せず、それを手で乗り越えた先にあることを教えてくれたプロジェクトだ。

CONCEPT
一見すると普通の書体ですが、拡大するとその表情が夕景のシルエットに変化します。この寄り引きの表情の変化こそが、本書体の特徴です。書体を拡大するにつれ、夕景の叙情・奥行きの空間や光が、文字や余白の中に立ち上がります。